
カール・セント=クレア(指揮)
Carl St. Clair, conductor
Biography
カール・セント=クレアは、アメリカ人で最も新しいオーケストラの一つ、パシフィック交響楽団の音楽監督を2025年まで35年間務めたアメリカ人指揮者である。この在任期間中にパシフィック交響楽団は、過去50年にアメリカで創立されたオーケストラの中で最大規模の予算を持つ楽団に成長した。同楽団はアメリカ・オーケストラ連盟(League of American Orchestras)から招待を受け、アメリカの「Tier1オーケストラ」に属する、最新かつ最年少のオーケストラとなった。これほど急速な芸術的発展を遂げたオーケストラは稀である。
在任期間中、セント=クレアは洗練された音楽と、革新的なプログラミングによって高い評価を受けてきた。2006年のヨーロッパ・ツアーでは、ドイツとスイスを含む3か国9都市(ミュンヘン、フランクフルト、ケルン、ルツェルン、ウィーンなど)で公演をおこない、『ハノーファー・アルゲマイネ』紙は「セント=クレアと彼の素晴らしいオーケストラは、精神性、音響感覚、そして息をのむほどの正確さでハノーファーの聴衆を完全に魅了した」と絶賛し、ケルンの『ゲネラル・アンツァイガー』紙は「刺激的で…心を奪われる!」と評された。2018年4月には、カーネギーホールがおこなったフィリップ・グラスの80歳の誕生日を祝う1年間にわたる企画の最終公演として、パシフィック交響楽団のカーネギーホール・デビュー公演を指揮し、同年5月には同楽団の中国ツアーを指揮している。
これまでに、ボストン響(1985~1990年には小澤征爾の副指揮者)、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、ロサンゼルス・フィルをはじめ、サンフランシスコ、シアトル、デトロイト、アトランタ、ヒューストン、インディアナポリス、モントリオール、トロント、バンクーバーなど、数多くのオーケストラを指揮している。
2024年からは、セイジ・オザワ松本フェスティバルの子どものための教育プログラムの責任者として招かれ、2025年12月からはタイ・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任。活動の場をアジアに拡げている。
また、世界各地のオーケストラと共演を重ねてきており、ドイツのヴッパータール交響楽団とは、27年間にわたる良好な関係を経て、2024年1月に終身名誉客演指揮者に任命された。2008年から2010年にかけては、ベルリン・コミッシェ・オーパーの総音楽監督を務めた。コスタリカ国立交響楽団では、2023年までおよそ10年間にわたって音楽監督を務めた。また、ドイツ国民劇場音楽堂ヴァイマルおよび国民劇場管弦楽団の総音楽監督兼首席指揮者を非ヨーロッパ出身の指揮者として初めて任命され、ワーグナー《ニーベルングの指環》全曲などを指揮して高い評価を得た。
カール・セント=クレアは、あらゆる世代に向けた音楽教育に情熱をかたむけ、指揮活動と並行して、全米の主要音楽大学・音楽院の多くで教育活動を行ってきており、教育者としても高い評価を受けている。




